ミリオンダラー・ベイビー

いわゆる「重い」映画が好きです。ホラーのような恐怖映画ではなく、観た人を突き放す、救いようのない映画が好きです。

ミリオンダラー・ベイビー

事前に「重い」とは聞いていたので、なんとなくそんな印象で観てみました。

確かに9割は女性ボクサーのサクセスストーリー、残りの1割でグッと落とすところ、C・イーストウッドの真骨頂のように思います。

ただ観た直後は重かったものの、少し時間が経ってみるとストーリー自体に重いものはあるかもしれませんが、テーマは老トレーナーと貧乏ボクサーの絆を(というか愛かな)中心に描いたいい映画だったように思います。細かい演出の粗さは無視して個人的評価は高いです。人権団体云々から色々言われてるようですが、あまり気にする必要はないのでは。

同じC・イーストウッド監督のミスティック・リバーよりはまだ救いようがあるように感じる映画でした。

その土曜日、7時58分

Before the Devil Knows You're Dead

年末に観た映画。両親が経営する宝石店に強盗を企てる兄弟の話です。

ミリオンダラー・ベイビーより全く救いようのない映画です。私利私欲にまみれた人間が人生の歯車を狂わせて行く様子が、親目線、本人目線でそれぞれ語られて行く様は陰鬱としか表現し得ない。個人ではなく、家族をも巻き込んで畳み掛けるストーリーは見事で、救いようがないものの、後味はそこまで悪くない映画です。

原題の「Before the Devil Knows You’re Dead」。そのままだと何がなんだかわからないので、(調べたらアイルランドの諺でした)邦題を付けたセンスは見事。

今年頭に亡くなってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンが残念で仕方ありません。

なぜ「重い」映画に惹かれるのか

別にアクションやラブストーリーなどの王道物で一本筋の通ったストレートな映画が嫌いなわけではないのですが、ボクの周りでは好んで観られることが少ない重いテーマを取り扱った映画が好きです。

なんで好きなのかな〜と思って色々考えて調べると、このブログに結構本質的なことが書かれていました。

重~い映画が好きな理由

人間の邪悪性は、すべて「愛情の欠落」によって生まれると思う。逆にいえば…完全に壊れた、邪悪な人間でも、誰かが愛情を注げば、愛情を受ける機会に恵まれれば、そこから脱出できる。
(中略)
つまり、愛情の欠落によって邪悪になってしまった登場人物を観る事によって、逆説的に、「愛が人間を救う」という事実を再確認する。だから、暗い結末を迎えた映画でさえ、いや、そういう映画だからこそ、この「愛がすべて」的なベタな結論を、照れることなく、受け入れることができて、当たり前に思っていた自分の人生の有り難さなんてものも感じることになる。

確かに真っ当な「愛」を語った映画は嫌いではない。でもそんな映画を直視できない捻くれた自分がいて、このような重く救いようない映画を見ることで愛を再確認するという行為なのかもしれません。音楽でも映画でも(または他のことについても)、結構他の人から「変わっている」と言われる自分ですが、捻くれを直そうと思う気もないのも、また「捻くれ」ているような気もします。

個人的見解に基づく重い映画ベスト5
  1. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
  2. CUBE
  3. オールド・ボーイ プレミアム・エディション
  4. ミスト
  5. セブン

よかったら一度観てみてください。

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